カクテル紅茶館の事件簿録


「あの、もしよければなんだけど……。

うちはこのすぐ近くなの。

良かったら寄っていってはくれないかしら?」

こくん。

とヌイは頷いた。

返事こそ無言だったけど、その頷きはとても早かった。

「狭くて恥ずかしいのだけど……」

ヌイのお母さんの住処はひっそりとした路地にある三階建のアパートだった。

その一階の角にある部屋がヌイのお母さんの家。

間取りは2DK。

母親と赤ちゃんの葵で住むなら充分な広さだろう。