カクテル紅茶館の事件簿録


ヌイと葵のお母さん。

私は顔も知らないその人に酷く腹が立った。

こんな軽蔑にも近い感情初めてだ。

でも全然違うのだ。

ニュースで見る出来事と違って、身近の知っている人の体験は大きな衝撃を伴った。

どうしようもない感情に恐る恐るヌイの横顔を盗み見る。

話していた内容は真っ黒なものだったのに……。

私の隣にいたのは寒さなんか忘れてしまうくらい温かな笑みで小さな弟を見つめる青年だった。

知って欲しいと思った。

あなたが人に与えるその愛情を、あなたに与えてる人もちゃんとこの世界には居るのだと……。