カクテル紅茶館の事件簿録


それまで穏やかに話していたヌイの表情に曇りがかかる。

ヌイはその理由もゆっくりと語り出した。

「なのに……。待ってたのに……。

あの人はまだ僕に会いにきてないのに新しく葵を置いていった。

流石にあり得ないよ。葵はまだこんなに小さいんだ。

一人じゃ何一つできやしない。

そんな葵を、あの人は僕に会う前に手放したんだ。

どうして……」

最後の一言は吐息のように漏れだしたのだろう。

その声はとても小さく私の胸を締め付けた。