カクテル紅茶館の事件簿録


「ある日、そんな僕をばあちゃんは自分の店に招待してくれた。

そこは不思議な場所だった。店と言う割にお客さんは滅多に来ない。

そもそもテーブルが一個しかないその場所を店と呼んでいいのかってレベルだった。

僕は学校を休んでそこに通った。

毎日毎日ばあちゃんの店で何もしないで過ごした。

そもそもお客さんが来ないから店の手伝いもできない。

だから何もしないで過ごした。

ばあちゃんはそんな僕に甘い紅茶を淹れたり店の手入れをしていた。

あまりにすることがないからある日僕から言い出した。

『僕もやるよ』ばあちゃんはニッコリ笑ったかと思うとすぐに表情を引き締めてこう言った。

『ここにあるものは全て宝物だ。それも私のじゃない。ここにある宝物は誰のものかわからないものも多い。この意味が分かるかい?』

って。僕はさっぱり分からなかった。

そうしたらばあちゃんが言ったんだ。

『ヌイは人のものを壊していいと思うかい?そう、言い訳がない。つまりここにあるものは大切に扱わないといけない。もし壊してしまったらこの宝物たちは持ち主の元へ帰れなくなってしまう。なかったことになってしまうんだ』

って」