カクテル紅茶館の事件簿録


私がこの子くらいの時は……、うん、思い出すのはやめよう。

「あ、そこは心配しないで?

あくまで善意のお手伝いだから大丈夫。

給料はもちろん小遣いも発生しないから。

完璧なボランティアだから。

なんなら社会科学みたいなものだから。」

「無理無理無理無理。あーめんどくせぇ。

いーよ、いらねえよ。どうせ古いボールだったし」

いいながら少年は引かれたままの椅子を元の位置に戻す。

「お茶、ごちそーさん」