カクテル紅茶館の事件簿録


「さあ、召し上がれ」

まあ、ヌイは聞いたところで教えてくれない。

話したければ勝手に語り出す。

私は諸々の理由を突き止めようとするのをやめて目の前の日本茶を口に含んだ。

「この子の名前は葵って言うんだ」

「え?」

私が日本茶を含んだ瞬間、ヌイは唐突に背中の子について語り出した。

「いまは生後半年とちょっと。食べるのと寝るのが大好きなんだ」

「えっと」

「ああ、タマちゃんごめんね。気づかなかったよ。抱っこする?」