カクテル紅茶館の事件簿録


織原先生の言葉に、先輩はゆっくりと瞳を閉じる。

「いまはどう?最近のあなたはどう?

私には逃げてるようには見えないの。

ちゃんと自分の足で立って、前を向いて、ゆっくりと歩み出しているように見える。

違うかしら?」

「うん」

「人ってね、案外毎日成長してるのよ。

人によってそれは毎日ほんの少し、とっても小さな成長かもしれない。

それでも毎日変わっているの。だから大丈夫。

いまの百合ちゃんなら私が居なくても歩けるのよ」

「だけど寂しいもん……」