中には不思議な空間が広がっていた。 建物内には一切の窓がなく、中を照らしているのはオレンジ色の柔らかな電気の明かりのみ。 そこにはたくさんの人がいるのにどのグループも会話はほとんどなく、そのせいでそこはほとんど無音の世界。 そして壁一面にかけられている絵画の数々。 そう。 ヌイが連れてきたのは高校生のデートとしては渋すぎる個展会場だった。 「たまちゃん」 初めての光景に目をキョロキョロとさせて歩いていると不意に声をかけられ、そのまま腕をひかれて歩みを止められる。 間一髪。