カクテル紅茶館の事件簿録


「実はね、学校の近くにこんなものが落ちてたの」

私は先程拾ってきたばかりの教科書をヌイに渡す。

別にヌイの真似をして拾ってきたわけじゃなかった。

いつもの私なら絶対に届ける。

今日だって教科書が落ちてるのを見て、職員室に届けるために拾っただけだった。

だけど、拾い上げたその時だった。

冷たくて強い風が一瞬吹いた。

それだけで十分だった。

拾い上げた教科書は風に吹かれてページを捲った。

そこにはまだ私が習っていない内容と、それと一緒にある人への恨みが綴られていた。