ヌイの作業は意外とすぐに終わった。

それ知らせたのは一枚のブランケットだ。

暖炉の火を意味もなく見つめていた私の足元に、部屋から出てきたヌイはふわっとブランケットを掛けてくれたのだ。

「ごめんね、本当はタマちゃんが来る前に出しておきたかったんだけど……。

あの部屋も意外と物が多くなってて手間取っちゃった」

ヌイは暖炉の火に負けないくらい温かな目元をしながらそう言った。

「ヌイは優しいね」

「タマちゃん、どうしたの?」

自分でも予想外なほど、私の発した声は弱々しかった。

そんな私を、ヌイはやっぱり温かな目元で心配してくれる。