「レンさんごめんて。
だってさ、レンさんて演奏前には必ず周りを観察してるんだよね?」
「は?それが何だよ」
「うーん。不思議だな。
レンさんに興味のない通り過ぎる人たちには意識が行くのに、レンさんのことを熱烈に見つめている子の視線には気づかないんだね?」
ヌイの言葉に男は辺りをぐるりと見渡す。
が、思い当たる人物を見つけられなかったのだろう。
その視線はすぐに元の位置へと戻ってきた。
「で?その熱烈なファンはいまも居るわけ?」
「あれ?
僕、その子がレンさんのファンだなんて言ったっけ?」
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