俺らの本

しばらく廊下を歩いて、人気のない裏庭まで出た。


どんだけ歩くんだよ。


その途中、何人もの生徒とすれ違ったが、察したように目線を外していた。


「それで、話って何のことですか。」


俺の経験上理由は大体わかるが、形だけ聞いてみる。


すると、真ん中のヤツが振り返り、急に殴りかかってきた。


それを間一髪で避ける俺。


後少しであたるところだった、油断しすぎたな。


俺にとってよくある光景に、特に動じることなく見ていると、真ん中のヤツが笑い始めた。


「ははっ、聞いた通りのヤツだな。前々から目を付けてたんだよ。」


そいつはそう言うと、ニヤニヤと笑っていた左右のヤツらが一斉に横腹を蹴り、思わずよろける。


いってー、容赦なく横腹蹴りやがって。


その光景に左右のヤツらがハイタッチをしている。