俺らの本

声がする方を向けば、そこには二年生らしきヤツらが三人、俺らを見ていた。


葵らも気づいたようで、ジッと三人を見ている。


「あれあれぇ~?一年の白末君じゃんか。何か声が聞こえるな~っと思って来てみたんだけど~。」


「何~?仲良くお友だちと一緒かよ~?お前に友だちなんかいたんだな~。」


ムカつく声で喋る左右のヤツらの芝居がかった話を、ジッと聞く。


すると、真ん中のヤツが喋り始めた。


「白末、お前に用事がある。ちょっと下に来いよ。」


そう言いながら、そいつは葵と歌をチラリと見た。


俺が行かなければ、こいつらに何かする気か…。


こんなことなら、キレてでも追い返せば良かったな。


「あの~、先輩方。用事なら今言った方がいいのでは?」


「葵、止めろ。………行ってくる。」


「大ちゃん……。」


横目で二人を見て、そのまま二年のヤツらと一緒に、屋上を後にした。