俺らの本

そんなことを心の中で自分に言い聞かせながら、玄関のカギをかけ、学校に向かって歩き始める。


俺が今歩いている道は、あまり人が歩いていない。


いたとしても、朝から掃除をするおじさんや、近所のおばさん、そして行き場のない野良猫くらいだ。


日陰で休んでいる野良猫を横目で見ながら、通り過ぎた。


あまり人がいない道だが、人が多く集まる場所が嫌いな俺にとっては好都合の場所。


今日も人が少ないことにホッとしながら、ポケットの中に入れていた携帯電話を取り出す。


別に、誰かからメールが届いているわけでも、用事があるわけでもない。


ただ暇な時間を埋めるために、何となく見てしまうのだ。


「暇だな。」


あ、そういえば昨日途中まで読んでた雑誌の続きでも見るか。


最近気に入ってるスポーツ雑誌の電子版を開き、続きを読む。