俺らの本

そろそろ歯を磨いて行くか。


テレビの電源を消して、洗面所へと向かった。


……もしも。


鏡に映る歯を磨く俺を見て、ふと思った。


この静かな家がにぎやかになったら、俺はどう思うのだろう。


嬉しいのか?


いや、俺のことだから嫌がりそうだな。


……って、何を考えてんだ、俺は。


バカバカしくなり、鼻で笑ってしまった。


そろそろ行くか。


スクールバッグを持ち、そのままゆっくりと玄関のドアを開ける。


「寒っ!!」


ドアを開けると冷たい秋風が入り込み、思わず声が出てしまった。


秋になったばかりだよな?


去年もこんなに寒かったか?


でも、もう出たし、今さら着替えるのも面倒だな。


しかたねー、行くか。


きっと学校についた頃には、体も温まってると思うしな。