美智雄が京子に同じワインでいいか確認してから、店員にオーダーして、「露骨にそんなこと言うなんて、京子さんが独身になったからって、普通そんな事を言う人はいないよ」
京子はテーブルに頬杖を突き、「新井さんだけよ、あの人モラルって持ち合わせていないのかしら」
美智雄はビールの一点張り、もう一本オーダーすると、「僕が居た時にはそんな風には見えなかったけれどね」
先程美智雄がオーダーしたワインが来ると、早速グラスに口を付けながら京子はやや酔ったのか、「私だって子供じゃあるまいし、貞操観念が特に高い訳ではないけれど、嫌だなああいうギラギラした人は、」
二人の話は尽きない、まるで以前から飲み友達だったかのように、息が合っていた。
下北沢のスナックの夜は更けていく。
終電に間に合うようにと美智雄が気を利かせて、「そろそろ引き上げよう、腹一杯だよ、新宿まで送って行くから」
二人は店を出て並んで来た道を下北沢まで戻り、新宿まで小田急線に乗る。
京子の実家はメトロ丸の内線の中野坂上、美智雄は小田急線だが新宿からはロマンスカーで家に帰る。
美智雄がメトロの改札口の外から、「また電話していいかな」
京子はPASMOで改札を抜けると振り返って、「楽しかったな、また会いましょうね」
二人共、手を振ってから互いの方向へ歩いて行く。
それから3週間もして、美智雄は全国出張を終えて帰って来る時に、機内から眼下に東京の夜景が見えた、何故かロマンチックな気持ちになって呟いた、「京子さんと飲みに行くか」そして、ふと、二人でこんな夜景を見れたらいいなと思った。
美智雄は京子に電話をした、「もしもし、北陸担当の京子さんをお願いします、あ、私は上野と言います」
あまり京子に変な噂が立つと拙いだろうと思い偽名を使った。
美智雄と京子は、それから二人で何度飲みに行ったことか。
そんな事を続けているうちに、次第に二人は友情という言葉を超えたものを感じていた。
そんな12月の上旬の頃、週末の金曜日に待ち合わせをしていた。新宿駅の西口の京王デパートの前が待ち合わせの場所、会社が終わった時間帯だから人通りが多かった。
「お待たせしました」茶目っ気のある笑顔を浮かべ、人込みを掻き分けるように京子が現れた、急いで来たのか綺麗に鋤いた長い黒髪が揺れている。
京子はテーブルに頬杖を突き、「新井さんだけよ、あの人モラルって持ち合わせていないのかしら」
美智雄はビールの一点張り、もう一本オーダーすると、「僕が居た時にはそんな風には見えなかったけれどね」
先程美智雄がオーダーしたワインが来ると、早速グラスに口を付けながら京子はやや酔ったのか、「私だって子供じゃあるまいし、貞操観念が特に高い訳ではないけれど、嫌だなああいうギラギラした人は、」
二人の話は尽きない、まるで以前から飲み友達だったかのように、息が合っていた。
下北沢のスナックの夜は更けていく。
終電に間に合うようにと美智雄が気を利かせて、「そろそろ引き上げよう、腹一杯だよ、新宿まで送って行くから」
二人は店を出て並んで来た道を下北沢まで戻り、新宿まで小田急線に乗る。
京子の実家はメトロ丸の内線の中野坂上、美智雄は小田急線だが新宿からはロマンスカーで家に帰る。
美智雄がメトロの改札口の外から、「また電話していいかな」
京子はPASMOで改札を抜けると振り返って、「楽しかったな、また会いましょうね」
二人共、手を振ってから互いの方向へ歩いて行く。
それから3週間もして、美智雄は全国出張を終えて帰って来る時に、機内から眼下に東京の夜景が見えた、何故かロマンチックな気持ちになって呟いた、「京子さんと飲みに行くか」そして、ふと、二人でこんな夜景を見れたらいいなと思った。
美智雄は京子に電話をした、「もしもし、北陸担当の京子さんをお願いします、あ、私は上野と言います」
あまり京子に変な噂が立つと拙いだろうと思い偽名を使った。
美智雄と京子は、それから二人で何度飲みに行ったことか。
そんな事を続けているうちに、次第に二人は友情という言葉を超えたものを感じていた。
そんな12月の上旬の頃、週末の金曜日に待ち合わせをしていた。新宿駅の西口の京王デパートの前が待ち合わせの場所、会社が終わった時間帯だから人通りが多かった。
「お待たせしました」茶目っ気のある笑顔を浮かべ、人込みを掻き分けるように京子が現れた、急いで来たのか綺麗に鋤いた長い黒髪が揺れている。
