そして音葉の雷が落ちるだろう。
それだけは避けたい。
「ありがとう。」
「送っていくよ。このまま1人で返す訳にもいかないし。」
「心配だよ、渚っち」と眉を八の字にさせて私を見てくる雷さんは、まるでお兄さんのようだった。
私にお兄さんがいたらこんな感じかな。
そう思ってしまった。
同い年だけどね。
私は何度も雷さんに大丈夫だと言ったが、雷さんが折れてくれる訳でもなく、家まで送ってもらうことになった。
二人で歩いているけれど、会話は一切なく、コンクリートを踏む音だけが道に響いた。
ジャリ、ジャリと、暗闇に消えていく足音を聴きながら、私達は家に向かう。

