この涙が枯れるまで


そして音葉の雷が落ちるだろう。

それだけは避けたい。

「ありがとう。」

「送っていくよ。このまま1人で返す訳にもいかないし。」

「心配だよ、渚っち」と眉を八の字にさせて私を見てくる雷さんは、まるでお兄さんのようだった。


私にお兄さんがいたらこんな感じかな。

そう思ってしまった。

同い年だけどね。

私は何度も雷さんに大丈夫だと言ったが、雷さんが折れてくれる訳でもなく、家まで送ってもらうことになった。

二人で歩いているけれど、会話は一切なく、コンクリートを踏む音だけが道に響いた。

ジャリ、ジャリと、暗闇に消えていく足音を聴きながら、私達は家に向かう。