「……うぅー……やだ、飲まない。」



そう弱々しく呟いて、シーツで顔を覆ってしまった。

……はぁ、仕方ないな。

一つ溜息を吐いて、シーツを引き剥がす。



「……飲め。飲まなきゃ死ぬよ」



ビクッと、"死ぬ"という単語に敏感に反応したらしい。

そのまま、彼女は俺から奪い取ったシーツを口元に引き寄せた。



「……じゃあ…悠翔が飲ませて〜……おねがい〜……」



……そして、彼女の右手が唇に押し付けられた。



「んん、自分で飲めよ………」

「や〜〜〜……だ〜〜〜…………っ!」



嫌だ、って断っても良いはずなのに、NOという答えが初めから用意されてないのは何故だろうか。



「……仕方ないな。」



この安定した距離感を乱して仕舞えばきっと、君はいとも簡単に俺から離れて行ってしまうのに。