※悠翔SIDE※ 「…………ゆ、うと……。」 保健室の片隅、純白のシーツが施されたベッドに彼女を降ろした。 華奢な脚が、掛布団を蹴飛ばす。 「何、暑いの?」 熱に淀んだ重たい空気が、室内に流れ込む。 うーん、なんて困り顔で呻いて寝返りを打つ彼女の頬に手を添えた。 「…………苦し……い、苦しい…………よ…………。」 昔から時々熱を出して寝呆ける癖は、未だ変わらないらしい。 養護教諭から手渡された薬を、とろんと薄く開かれた目元に翳す。 「……薬、あるけど飲める?」