少し、意識が朦朧とする。 レースが終わった直後、額から滝のように汗が吹き出してくるのを感じた。 「……陽咲、手。」 あれ?……なんだか、フラフラする。 ボソボソと割れたマイク音が、意味もなくやけに不快だ。 「何、どうしたの?大丈……」 「ゔ……死ぬ……っ」 あ、ダメだ。 足腰の力が一気に抜けていく。 もう立って居られない……!? わたしは、そのまま熱されたコンクリートの上に倒れ込んだ。 鈍い骨の音がして、目を閉じる。 反射的についた掌が、ヒリヒリと痺れた。