『ゆ、悠翔はただの幼馴染だよ!』 ……なんて、慌てて否定してみるけどさ。 『でも、君達仲良過ぎて……残念だけど、俺が入る隙間は用意されてないように感じるな。』 熱を帯びたカオを必死に隠そうと俯く視線はやり場を失って、ただ見つめていた履き古された上履き。 脳裏に焼き付けられたいくつかの光景がフラッシュバックした。 曖昧な記憶を辿るけど、教室を走って飛び出してからはあんまり覚えてない。 ……ただ気付いたら頬が濡れて、それがセーターの腕にもシミを作ってて。