「あっちょっとちょっとヒナ!ハチマキが曲がってるよ〜!」 優雅にレースの可愛い日傘を差していた莉兎が、日傘を投げ捨ててわたしのハチマキに飛びついた。 うーん動かないで、なんてぶつぶつ文句を垂らしながら、ハチマキを解く。 ……なんだか、脳天を掠る感覚が擽ったい。 「ほら、出来たよ!鏡見て!」 ゴージャスにストーンが散りばめられた手鏡が差し出される。 「ね!夏っぽくオシャレにした方がいつもの3倍くらい可愛いよ!」 「たかが体育祭なのにこんな気合い入れて可愛くする必要あるかな!?」