《……陽咲?》 3度目のコールの後、今一番会いたい幼馴染の声が、わたしの耳に届いた。 《……泣いてる?今どこにいるの》 上手く、言葉が紡げない。 ただ、心が直感的に指針した、君が居そうな方角に向かって足を進めていた。 「会いたい、会いたいよ……悠翔!」 涙で視界が淀んだから……曲がり角で誰かに直面衝突するのを、回避出来なくて。 ドンッ 鈍い音と共に、わたしはその"誰か"に守られるようにしてその場に倒れこんだ。