ガラガラ、と誰かがドアを勢いよく開け放った。 「ちょっと、何やってんのよ司!」 「……ルカ…………!?」 「今日四時から生徒会の会議があるって言ったじゃない!探しに来てみたら……アンタは!」 ……今だ。 全身を捩って腹元を蹴り飛ばし、手首が緩んだ隙に振り払って、教室を出た。 怖い、怖い……! 部活動開始時刻を越え、廊下には人影が無かった。 気付かぬうちに流れていた涙を、ワイシャツの袖で拭った。 「ねえお願い……電話出てよ……!」 無意識的に、幼馴染へ電話を繋げていた。