今は、誰にも頼る事が出来ないなんて。
両手首が束ねられた。
……悔しいけど、わたしの力じゃ振り解けない。
「……こんなとこ、幼馴染君にバレたらどうなる?」
「え……?どういう事……?」
ふと、何かが繋がった。
『……蒼井、悠翔?』
あの時感じた違和感はやっぱり、勘違いなんかじゃ無かったんだ。
「勘違いすんなよ?俺、お前の事なんか好きじゃねえから。」
冷酷に紡がれる言葉の一つ一つが、私の涙腺を緩めた。
……お願い、もう止めてよ。
「ただお前の幼馴染に恨みがある……ってだけで、あんたには興味ねえから。……ほら、もっと泣けよ?」
先輩の指先が、慣れた手つきでわたしのワイシャツのボタンを一つ、二つと外した。
……嫌、嫌だ!
