「好きです!」
ただ、真っ直ぐにその目を見た。
……調べ上げたモテテクなんてもの、とうに忘れてしまって。
沈黙に耐え切れず、反動的にギュ……っと目を見て瞑った。
『僕も好きだよ』
……そんな台詞、待ってる訳でもなく。
焦ってしまった自分自身への反省、貴方へ伝えられたこの想いへの擬かしさ、……全て違うの。
ただ、ただこの沈黙が……怖かった。
思ったよりもゴツゴツとしている、男の人の掌。
握り締めるわたしの手が震えてしまって、その振動が彼にも伝わっているのだろうか?
今になって込み上げる恥ずかしさ。
……ああもう、どうにでもなってしまえ。
