終礼を告げるチャイムが響いた。
……放課後、だ。
思わずに息を飲んだ。
早く放課後にならないかな、なんて考えてた1日だけど、ふと気付けばもう……。
「莉兎、わたし行くね！」
「ちょっ、行っちゃダメだよ！ヒナ！」
引き留めようと試みた莉兎を振り払って、わたしは走り出した。
ただ、走りたくなっただけ。
一刻も早く貴方に、この想いを馳せたいだけ。
……だから聞いてね、わたしのコトバを。
「はぁ……っ、はぁ……っ、」
階段を駆け上がり、指定されていた空き教室の前まで来てしまった……遂に。
荒い呼吸を整える暇も余裕も、今は無い。
そして、ゆっくりとスライド扉に手を掛けた。
