ニコ、っと表情を綻ばせた先輩が、ヒラヒラとこちらに手を振った。



「……せ、んぱ、い…………!?」



ジワ……と、顔に熱が集中した。

わたしの周囲の女子が、口々にこちらを見たと叫んでいるけれど。

膝がガクガクと震え立つ。

軈て向こうから、わたしと先輩を結んだその一線が断ち切られる。

そして、その姿は徐々にフェンス下の土手で遮られて見えなくなった。



「えっ今のなに?信じられない……ヒナ、いつのまに!!ねえってば!!」



口元を手で覆い、わたしの肩を揺さ振る莉兎。



「確かに、私だった……よね?」