「先輩……あ〜〜〜っ気付いてくれないかな〜〜〜!?」 ボールをスムーズに蹴り進んで来る先輩の姿を、今一体、何人の女子生徒が目で追ってるの? ……わたしだけの先輩って、いつかは。 コートから外れた先輩が、関心したような表情でギャラリーを見渡した。 「……あ。」 不意に、その視線が止まった。 ……わたしのところ、で。 「ね、ねえ……今ヒナと、目……」 ……合ってる、よね? 幻覚?それとも自意識過剰? 早まる鼓動が更にその加速度を増してる、全世界中に響き渡ってしまいそうだ。