それからも、毎日毎日懲りずに通った。



「あぁああぁあヒナあぁあああぁ!やだ!莉兎は行かないーーーっ!」



……莉兎を強制連行して。



「おーーーねーーーがーーーいーーーっ!絶対莉兎の好みの人もいるよ!?ね!?ね!?」



相も変わらずフェンス際には女子が群がっている。

……不特定多数の一部だって事は重々承知。

あれ以来会話を交わせてないけど、先輩はわたしのコト、覚えてくれてるのかな……。



「あっ、ねえヒナ!先輩こっち来るよ、手でも振ったら?」



いつか、この沸き立つ黄色い歓声の中からわたしだけを探し出してくれたらいいのに。

他の誰にも、貴方を渡したくないんだ。