降り注いだ桜の雨が、濡れたわたしの頬を掠めた。 燻んだ空の碧よりも、グラウンドのセピアよりも、桜の桃。 そんな"良き日"は、卒業式なんてイベントが催されるのに最善なのだろう。 本来卒業式で涙腺の緩みを催すのは、別れを惜しむという事実であるはずだ。 ……なのに、わたしときたら。 「はぁ……次は何で振られたの?」 …………まさかの場違い、"失恋"で大絶賛号泣中です。