「……だーーーかーーーらーーーっ!!」



クルンと上品に巻かれたツインテールを上下に揺らして、莉兎が地団駄を踏んだ。



「莉兎は男が大っキライだっていってるでしょーーーっ!?いやだーーーっ!」

「いやいやっ、イケメンを嫌いなんてただの強がりだよ!」



莉兎の腕を掴んで、グイグイ引っ張り行くその先は……サッカー部専用グラウンド。

クラスの情報通な女子達によると、なんと、氷室先輩はサッカー部らしい。

ふと、中学時代までサッカー部に所属していた幼馴染に重ねて、つい笑ってしまう。

……それにしても莉兎がまさかの男嫌いなんて、可愛い顔なだけに衝撃の事実だ。



「ヒナ〜〜〜っ、莉兎帰りたい〜〜〜っ!!!」

「だめだめっ、わたし一人じゃ心細いよ!」