女の子達に軽く会釈した後、慣れない校舎に戸惑いながらレンガ造りのちょっぴり荘厳な校門を抜けた。
そんな間にも何度もヒソヒソと囁かれたり指差されたりして。
い、一体どんだけわたしの幼馴染って目立つんだろうな……?
「あ、そういえばね!今日さっそくかっこいい人見つけたんだよ」
「へえ、ホントに陽咲はスパンが短過ぎ」
その日あった他愛のない話題をわたしが持ちかけて、それを悠翔が何と無く聞いてくれる。
これがわたしたちの日常の型だ。
「でもね、その人ちょっと人気なの!わたしを好きになって貰うには、どうしたらいいかな??うーん……」
