「殴るなよ……痛いな、景気付けに知らない女から貰ったお菓子あげるから機嫌直してって」 「やだ!どうせこないだのバレンタインの時みたいに毒味係とか言い出すんでしょ!さいあく〜〜〜!」 自然と、どちらからともなく笑みが溢れる。 悠翔が、わたしの三つ編みを引っ張って帰路へと促した。 こうして、この中学からわたしたちの家まで一緒に並んで歩いて帰るのも、今日が最後だね。 ……なんて、ちょっぴりキザなフレーズを思い浮かべたりして、また一つ切ない恋の終わりを上書きしていく。