私は花梨、21歳でOL。

私が住む町にはとっても有名なケーキ屋さんがある。

その店をやっているのは私の幼なじみで昔から人気者。

何より優しくて病弱な私の事、何時も心配してる。

そんな彼の名前は優仁(ゆうと)。

そんな彼の事が好きで、会いたくて、今日もお店に行く。

ドアのベルがカランコロンと鳴る。

「いらっしゃいませ。……って花梨じゃないか。元気そうだな。」

「あら、優仁もね。」

「まぁな。元気じゃないと店を開けれないだろ。」

苦笑混じりに返してくる彼が羨ましい。

「その元気さを半分頂戴?」

「出来ればそうしてやりたいよ。」

ショーケースを見ると綺麗なケーキが並んでいる。

「何時ものか?」

何時ものとはガトーショコラの事。

「うん。あと、今日は親戚も数人来るから…」

タルトとモンブラン、チョコケーキを2つずつ買った。

「花梨にだけサービスしとく。」

そういって彼は一銭も取らなかった。

「私は病弱だけど稼ぎはそれなりに有るのよ?」

「べ…別に、ただ、何時も来てくれてるからお礼だ。」

少し頬を紅くして言う彼。

「ありがとう。じゃあ、また来るね?」

「あぁ、気を付けて帰れよ?」

外に出ると相変わらず雲一つない夕焼け空だった。

私も病弱で無かったら彼の手伝いくらい出来たかしら…?

私が店に行くのは何時も店が閉まった少し後。

彼がわざと開けておいてくれている。

今日は少し残ってたから彼に嘘言っちゃった。

今度お礼に何か作ってあげよう。