春の、肌寒さが残る時期でした。



私は何故かバスケ部の先輩から雑用を頼まれ、ただ今体育館でボールの片付けをしています。


(私、吹奏楽部なんだけどな…)


バスケ部とはあまり縁のない私が、何故雑用を任されているかと言うと……


「あ、坂原さん。ごめんけど、バレー部のボールも片付けておいてくれない?ごめんね。今日この後夜練が運動公園であるから…」


「あ、いいよ」


「本っ当にごめんね!!ありがとう!!」


「いえいえー。頑張ってね」


「うん!ありがとー!」


この、断れない性格のためである。


いつからだろうか。確か小学校低学年の時はもっとサバサバしていて物事ははっきり言うタイプだったと思うんだけどな……


まぁそんな事は置いといて。


私は増えた仕事を早く終わらせようと、せっせと転がるボールをかごの中に入れた。