先生とあたしの恋の行方

「親父……」

「なんでっ……」

「ここ……近藤財閥を、継いでいい?」

「……っ!」

先生は、遠慮がちに聞いた。

会長さんの顔を見てみると、驚いていて、そして目に涙を浮かばせていた。

「本当に、いいのか?」

「ああ。あの時は、悪かったって思ってる。俺は……いじめられるのがいやで……“御曹司”ってだけでいじめられたから……」

「そ、うだったのか……」

「だけど今は、本当に継ぎたいって思ってる。親父の跡を、継がせてください」

そう言って、頭を下げた先生。

会長さんの表情は、微笑みに変わっていた。