顔を上げると、肩から血を流している佐藤さんと、立ち尽くしている美乃の姿があった。

美乃の前には、包丁を持った女子生徒が立っていた。

「あんたなんか死んでしまえ」

「やっ……」

「美乃!!!」

その女子生徒は、美乃に向かっていった。

俺は夢中で走った。

ーーギュッ

美乃を包み込んだのと同時に、背中に激痛を感じた。

「うっ!」

「……っ!」

美乃や、見ていたみんなが驚いたことは分かった。