不安に思っていたことに気づいたのか、あたしの手を握ってくれた。

「……っ!」

「大丈夫」

優しく微笑んだ。

あたしは、先生がいるだけで安心できるんた。

「わたし達が働いているのは、高橋コンツェルンだってことは、知ってるわね?」

「うん」

半分涙声で、ママが話し始めた。

「美乃が産まれて、7歳の時に出来た会社なの……だけど……なかなか上手くいかなくて……それでっ……」

言葉を区切り、ママは泣きだした。

「わたし達はっ……イラだってたのっ……会社のことで精一杯でっ……なにも出来なくてっ……」