先生とあたしの恋の行方

先生はなにも言わず、ただただ抱きしめて歩いていた。

車の助手席にあたしを座らせて、先生も運転席に座った。

「先生あのねっ……」

「ん?」

「あたしねっ……暴力ふるわれてるのっ……」

「……っ!うん、それで?」

先生は優しい声で聞いてきた。

「それでねっ……今日っ……出て行けって言われたのっ……」

あたしはつっかかりながらも、ゆっくり全部お話した。

先生は、一度も目を逸らさず、相槌をしながら聞いてくれた。

「だけどねっ……あたしはやっぱりっ……ママとパパが大好きなんだってっ……世界一っ……大好きなんだってっ……」