カラオケを解散して。
さゆは、ハルちゃん、一緒に帰ろ。と、
あたしの腕をとった。

他の男のメンバーに、羨ましがられながら
2人で駅に向かった。

さゆ、なんかあたしに用事だったの?

んーん。こっちの練習終わったから、
ハルちゃんと帰ろうと思って電話したの。

ハルちゃんのグループ、面白い人いっぱい
いるんだね。すごい楽しかったー。

そう?まぁ…ノリはいいよね。
やってても、雰囲気はいいよ。

さゆんとこ、わりともめてるよー。
やっぱり、合う合わないってあるんだよね。
つまんないもん。
あーあ。ハルちゃんと一緒が良かったなぁ。
それに…。

何?

カッコいい人もいたし!
さゆ、ときめいちゃった。
ずっと歌ってた人いたでしょ?
あ、ハルちゃんも、一緒に歌ってた人!


え?

驚くのと同時に、心臓がザワザワした。
嘘でしょ…?


あの人、彼女いるの?


い、いやぁ…わかんないな。


そうなんだ…。
今度、聞いてみようかな!?
名前はなんて言うの?

えっと…ユウキ…。

ユウキ君かぁ。
明日も練習ある?

あ、明日は無いよ。

えー。なーんだぁ…。残念…。


すると、あたしの携帯が鳴った。
ちょっとゴメン。と、見ると。

え?ユウキ?と、口に出してから
あ、しまった…と、思ったけど…
さゆの目が輝いていて。

電話で話すあたしの周りを、
ウロウロしながら、聞き耳をたてている。

え?あ…。
うん。大丈夫。空いてる。
わかった。じゃあね。

明日会うの?!と、目をキラキラさせる
さゆに…ウソはつけなかった。