お邪魔しまーす。と、入ってきて、
あたしを見つけ、
あ、ハルちゃん!と、嬉しそうに手を振る。
あたしの隣に、ちょこんと座り
本当によかったんですか?と、
聞いた一時間後には…
さゆの周りに、人が集まり、
みんな楽しそうに盛り上がっていた。
ユウキは…どちらかと言うと、今日の曲の
出来に不満だったらしく。
誰も歌わなくなったのをいいことに、
その曲ばかり繰り返して歌っていた。
さゆの周りに入るのもなんだし…と、
ユウキの歌をずっと聞いていたら。
途中で、ん?ハル、ちょっと来て。
メロディーあってる?と、あたしを呼んだ。
呼ばれた嬉しさもあって、すぐに立ち上がり
隣に行くと、
はい。と、マイク渡されて。
俺んとこ、歌ってみて。と、
同じ曲を、またかけた。
普段は歌わないとこだけど、ユウキが
歌ってるから、頭に入ってる。
下手でも、怒んないでよ?と、言うと。
なんで?俺、ハルの声好きだけどね。
…なんてことを、さらっと言ってくれる。
赤くなるあたしを見て、
や、照れんなよ。つられるわ…と、
一緒になって赤くなるユウキ。
内心、嬉しくてしょうがないのに、
照れてないしー!と、軽口を叩き歌い出した。
あたしの声に…ユウキがハモる。
気持ちいい…。
歌い終わると…ユウキが、ニコニコして
あたしを見て。
ハル!めっちゃ合ってる。この曲。
いいわ。ほんと。
この曲、ハルにリードやるわ。
え?そんなに?いや…でも、下手くそだよ?
披露日まで、あとそんなに無いし!
驚いてるあたしに、
まあ、練習はもうちょっといるな。
大丈夫。俺がなんとかする。と、
笑った。

