泣き疲れて…暗くなった頃。
トイレで顔を洗いながら、鏡を見た。
うっわ、ひどい顔。
あまりのひどさに、笑えてきた。
いや、これは無いわ。
イケメンがだいなし…?ふふ。
あーあ…人生最大の笑い話だよね。
もう、笑うしかない。うん。
彼女だってよ?
笑えるよ。そういうことか…。
何を期待してたんだか。
ほんと、バカだ。あたし。
アカペラ…も。やめよ。
歌うの好きだったけど…。
迷惑かけちゃうかもしれないけど…。
ユウキには…もう合わせる顔がないし。
もう、会いたくない。
かえろ…。
暗くなった外の空気が、気持ちいい。
深呼吸して、駅に向かった。
改札に向かおうとしたあたしの…
目に飛び込んで来たのは…。
口をぎゅっと結んで立っている…
…ユウキだった。
え…?
思わず、また回れ右して走りだしていた。
すると、ハル!待てって!と、
ユウキの声が聞こえる。
なんで??もう、やだ…。
そのまま走ったけど…追いつかれてしまった。
はぁはぁと、2人で息を荒くしながら…。
観念したあたしは、黙ってユウキを見た。
…何?
静かにつぶやいたあたしに。
なんの返事もしないユウキに…
腹立ちさえ、覚える。
用がないなら、帰らせて。

