「ん、...?あれ...?私、何して」
「あぁ、のえ、起きた?」
そこには、お兄ちゃんがいた。
私がなにか抱え込んでるのでは
と思って来てくれたらしい。
私はあまりのショックに一部記憶が
飛んでいた。どうやら、寝ていたらしい。
お兄ちゃんによるとそのときの
私は顔が青白く、酷く泣きはらし
目が腫れていたという。
「一人で抱え込むな。お兄ちゃんに
話せるか?」
それは幼い子供を言い聞かすような
言い方でつい笑ってしまった。
あぁ、この人が兄でよかった。
近すぎず、丁度良い距離感を
保ってくれる。
私は少しためらったが全て話した。
お兄ちゃんは少し眉をひそめ、
ただ優しい声で一言、
「そうか。」と言った。
深く聞かないのがお兄ちゃんなりの
優しさなのだろう。