まだ少し震えてる私を階段の所へ座らせてくれた。
女の子の友達が前から抱きついてきたりするのは平気だけど力を入れてなくても男の人の手で後ろから引き寄せられるのは怖い。
お父さんを思い出してしまう……。
「ごめん、そんなに嫌だった?」
階段に座ってる私の前にしゃがんで視線を合わせる世良 蓮先輩。
「後ろから抱き寄せられたりするの、怖いんです……」
「ごめん、調子乗って何も知らねーのに近づきすぎた。」
何かを察してくれたのか深くは聞いてこなかった。
「授業、あるから、戻ります」
まだ少し恐怖心が残ってるから上手く話せないけど、授業には戻らなきゃいけないし戻ろう。

