「誰コイツ」
「1年じゃね?」
「蓮の知り合いになんて見えないけど。」
猫撫で声をずっと出していた女の先輩の声が別人のように変わった。
……今はそんなことより引き寄せられたことから昔を思い出してしまって脈を打つ速さがおさまらない……。
思い切り振り払ってしまったけど、いつ握られたか分からない手だけは繋がっていたから震えているのに気付いたのか心配そうに顔を覗き込まれた。
「俺この子と話あるから違う奴誘って。」
そう言い放ち、震えてる私を階段の踊り場まで連れて行った。
その間にチャイムが鳴ったからなかなか廊下へ出てる生徒は少なく、変に視線を感じることもなかった。

