やばい、見つかってタッチされる。
私は逃げようとして走り出そうとしたら
木の根っこにつまずいて
バランスを崩してしまった。
「危ない!」
その声と同時に誰かに抱きしめられた。
一瞬の出来事で何が起こったのか
しばらく私は理解ができなかった。
私が抱きしめられたのが
レンだったから。
しかもレンは、
大事な顔に傷が出来てしまっていた。
「レン...?顔に...傷...」
「俺よりおまえ、大丈夫か。
よかった、傷ついてないな。」
レンは自分よりも私を心配してくれた。
私のせいでボロボロなのに...
「姫が顔に傷を負って帰ってきたら
大事になるだろ。」
私はレンが言った言葉を疑った。
「...え?...姫...って?」
レンは私の問いをかき消すように
立ち上がって、家に帰ろうとした。


