手紙の初めに書かれていたのは、俺とそいつの出会いだった。

でも、そんなことは無かったかのように、全然思い出せない。

君は誰なんだ……。

そんな思いを抱えたまま、手紙の続きを読んだ。


"助けた後は、運命の出会いって感じな雰囲気だったんだけど、結局なんにもなくて、カレンの方は恥ずかしがって、逃げちゃったんだよ。
で、そこから、ちょこちょこカレンとすれ違うようになって
初めは、お互い照れてなんも話さずにすれ違ってた。
でも、何度も何度もすれ違えばおかしくなってくるよな、ふつーは。
だから、最終的に2人で笑ってた。
それが、初めてカレンの笑顔を見た日。
何にも知らない俺が恋に落ちた日でもあった。"