手紙に書かれていた『病気』の言葉。

手紙を読んでいる俺さえ、驚いた。

なぜ、カレンってやつは俺に言わなかったのか。

それが知りたくて、手紙を読み進めた。

"それから、1日経って、カレンが目覚めた事を
聞き、急いで病院へ向かった。
病室のまえで、一呼吸してから
病室に入った。
俺が病室に入ってきた事にカレンが
すごく驚いてたのを覚えている。
でも、カレンの表情は驚きの中に不安が
混じっていて、それを理解した上で、
カレンに病気について聞いた。
カレンは、初めは何も言わず黙っていたが
俺の視線に耐えられなくなったのか、口を開いた。
その時告げられたのは、余命1年の言葉。
信じられなくて、何度も何度もカレンに
聞きなおした。でも、返ってくる言葉は変わらない。
涙を流しそうになるのを堪えて、俺は決心した。
カレンに付き合おうって言った。
その言葉を聞いたカレンは、ダメとしか言わなかった
わかっていたんだ、ダメって言われることは。
でも、それを押しのけて何度も何度も言った。
カレンが退院するまで。
結局、恋人にはなれなかったけど
ほとんどの時間を一緒にいた俺たちは
恋人のようだった。
カレンが退院してから、何ヶ月も経って
その月日はとても楽しいものだった。
あの日が来るまでは…。"