"病院から電話が届いたのか、
カレンのお父さんとお母さんが
急いで駆けつけてきた。
そして、病室に入り、中で先生の話を
聞いているようだった。
何も出来ない俺は、病室の前で
ただ待つだけだった。
ガラガラッという病室のドアが開く音がして
顔を上げた。
そこには、涙ぐんた
カレンのお父さんとお母さんがいた。
お母さんの方が、俺に近づいてきて
「カレンのお友達?」と聞いてきた。
俺は「はい。」といい、そのまま黙っていた。
「もしかして、あなたが隼くん?」と
お母さんが涙ぐみながらも、笑顔で僕に言った。
それを聞いた俺は驚いて、お母さんの顔
ずっと眺めていた。
「カレンはね。
家に帰る度に、あなたのことを話してたの。
すごく、すごく、楽しそうに。
病気のことなんて、無かったみたいに。」
ただ、お母さんの話を聞いていた俺の耳に
入ってきたのは、『病気』という言葉だった。
「え、病気なんですか…?」と聞いた俺に
驚いた顔をしたお母さんが「聞いてないの」と
そう言った。
何も知らなかった…カレンが病気だなんて…
その後に、この話はカレンから聞いた方がいいと
カレンのお母さんに言われた。”